昨日、フランクプウルセルの「急流」のことを書いたが、ついでに言うと、フランクプウルセルといえばFM東京の「ジェットストリーム」のテーマ「ミスター・ロンリー」。
元はジョニー・ティロットソンのヒット曲だが、この曲が流れてくると、「あ、もう寝なくっちゃ」と反射的に思ったものだ。
ところで、このバージョン、普通のレコードには収録されていない。FM東京のスタッフがイコライザーなどを使って加工し、実に柔らかい音に変えている。
レコードを買って、少し違うなと思った方も多いだろう。
つまり、FM東京のテーマ曲は売っていないということになる。(ただし、日本航空から通販されているセットには入っているかも)
レコードと音が違うというと、先程あげた「急流」も日本でヒットした時(確か1964年頃?)の音と違うバージョンが一般的になっている。
実は、私、FM大阪に入って以来、この「急流」の音をずっと探していたのだが、みんなヒットしたバージョンと違うのだ。
ヒットした方は、急流というより、せせらぎというか、「モルダウ」のような実にゆったりした演奏で、私は子供心にとてもお気に入りだった。
ところが、それ以来、ずっとこの元音に会えずじまい。
東芝EMIの担当者も、「そのころはレコードの音源は今程管理されていないので、適当に手に入れた音をヨーロッパでヒットしているから急遽シングルにしたんでしょう。今出ているバージョンは正式に認定されたバージョンだと思います。」とのこと。
それ以来ずっとあきらめていたのだが、ひょんなことからこの音に97年頃に出会うことができた。
江戸川のコミュニティFMのオーナーさんが大の音楽ファンで、その人のライブラリーを見学していた時、偶然フランクプウルセルのCDを発見。
その1曲目に「急流」が入っていた。
期待するでもなく、プレイヤーにかけると、何とあの懐かしき「たりら?りらりらりらりらり?」が始まったのだ。
ええー!何じゃこのCDー!
そこで何故、そのバージョンが使われなかったのかわかったような気がした。
それはモノラルだったのである。
他はみんなステレオ。だから一緒にアルバムに入れるわけにはいかなかったのだ。
では、何故このCDだけに入っているのか?
きっと作ったディレクターが何も考えずに適当に倉庫の奥から引っぱりだして来た、そうに決まっている。
ライナーノーツには何も指摘がない。それが何も考えずに作った証拠だ!(ディレクター氏、返事くれー!)
でもとても嬉しい。母をたずねて3000里の世界。神にちょっと感謝した。
安部邦雄