プロデューサーとして、尊敬している人が二人いる。
一人が元フジテレビの横沢プロデューサー(現吉本興業)で、もう一人が萩本欽一さんである。
欽ちゃんを天才的な芸人と語る人は多いが、私は天才的なプロデューサーだと思っている。
あの人のタレントの発掘の仕方は、まぎれもなくプロデューサーのそれである。
アドバイスのやり方もそう。それと、弟子を持たないところもそうなのだ。
プロデューサーには弟子等いらない。
その時々に旬な素材がほしいだけなのだ。
自分の芸を継承させよう等とは思わない。むしろ、自分の芸を超えた芸を作れるように、後進に環境を整えてやる、欽ちゃんのやり方はきっとそうだったはずだ。
弟子等、プロデューサーにはほとんど意味を持たない。
一番いい環境を作ってあげる。そこで勝手に育っていけばいい。
育たなかったとしたら、それだけのものでしかなかったと諦めなさいということか。
確かに一時期の欽ちゃんの人気はすごかった。
TBS、フジ、テレ朝のゴールデンでレギュラー番組を持ち、どれもお化けのような視聴率を稼いでいた。
日テレは仮装大賞だったかな。
テレビ局は、ただただ欽ちゃん詣での毎日だったという。
去年までの巨人戦みたいなものだ。
今の欽ちゃんには、もうそんな力はない。
仮装大賞もやっと2ケタ。
昔のような華がないのだ。ただし、これは芸人としてだが。
プロデューサーとしての欽ちゃんは相変わらず凄いはず。
方法論は簡単には古くはならない。
今でもその能力は、日テレの土屋氏を軽く超えるだろう。(でも、彼は編成部長に人事異動。現場を外すなんて馬鹿な会社だ。菅氏もなかなかだし、フジの三宅氏もいい線いっている。ま、狭い私の知る範囲だが。)
さて、欽ちゃん現象として、今回何をいいたかったかというと、もう巨人も長島さんじゃないだろうということ。
才能はすごいとか、キャリアはすごいといってみても、視聴率はとれない。
カリスマだ何だかんだといっても、それが数字にはつながらない。
いくら欽ちゃんをみんな好きだとはいっても、やっと10%そこそこなのだ。
今さら、ゴールデンのレギュラーを作ってくれとは誰も頼まないだろう。
欽ちゃんはすごい、だけど今はもうそれだけでは数字はとれないと、スタッフがわかっているからだ。
巨人戦もそう。
巨人が野球をしているだけでは、もう数字はとれない。
もっと付加価値をつけない限り、客はどんどん減っていく。
金を持っている層がファンとして強固にいるので表面的にはカッコがついているが、絶対的なファンの数は減る一方だ。
何か新しい付加価値をつけないといけない。
長島監督では、もう付加価値にはならない。
ただ、勝てるだけのチーム編成だけでは、客は寄って来ない。(アンフェアなやり方には生理的な拒否感さえ生まれつつある。)
では、新しい付加価値とは何か?具体的なプランは?
もちろん、原新監督などという古ぼけた手法では話にならないが。
欽ちゃん現象が今色んなところで起こっている。
あなたのまわりでも、私のまわりでも。
私はまだしばらくは現役のプロデューサーとして仕事をしていきたい。
インターネットはそのための強力な手段だと確信している。
欽ちゃんにしても、巨人軍にしても結局足りないのは、インターネットの可能性に対する無自覚なのではと、浅学なれども推察する次第。
何か、又いつもの結論になってしまった。
この件に関しては、もう少し考えてから続きを書きたい。
とりあえず、今日はこれぐらいで御勘弁を。
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