先日ある人が何千万も使ってニセモノをつかませられた。
私は、そんなの信じてはいけないよといっていた代物だ。
でも、その人は私をバカにするように言った。
素人は黙っていろ。
私は、その筋のモノは素人ではない。
でも、その人が素人だと私を揶揄するなら勝手にしろという気分だった。
彼に売り付けようとする連中の方がよっぽど私より素人だ。
でも、私は彼等の邪魔をするつもりはない。
そんな奴等に騙される方が悪い。
邪魔なんかしたら、彼等に逆恨みされる。
私はその人に警告した。それを聞かないのなら私の知ったことではない。
案の定、その人はだまされた。
二足三文のものを何千万と言うかねと交換した。
話が違うと憤る彼。
でも、売った方は知らん顔。
納得して買っておいて今さら何を言うんだと言う態度。
誠意がないと言われればそうかもしれないが、やっぱり私も思う。
騙された奴が悪い。
彼は私に言う。
お金を取り戻すことはできないだろうか?
買ったものを、別の人に転売できないだろうか?
そんなことは私は知らない。
自分の尻は自分で拭け。
本物かニセモノか、これはよほどの玄人でないかぎりわからない。
一番だまされるのが、なまじっか中途半端な知識を持っている人。
自分に変に自信を持っている人。
ついでに余分な金を持っている人。
そう人を騙す人というのは、やはり演出面でよく考えている。
本当にハデにその商品を飾るし、セールストークなども堂にいっている。
私なんか、演出もしなければ、それを虚飾でデコレートする必然もない。
だから、ニセモノが輝いて見え、本物はくすんで見えたりする。
そして、哀れ通ぶった馬鹿は、ニセモノを高い金で購入する羽目になる。
自業自得、本物を見分けられない「あわよか連」は、そうやって授業料を払い続けなさい。
でも、こういう人たちって、どうして私の忠告に耳傾けてくれないのだろう。
騙そうとする連中の言葉は甘くやさしい。
真実を語るものの言葉は苦くきびしい。
人間の性なのかもしれない。
騙される人って、結局、日々辛い日常を送り続けているのかもしれない。
手練手管の女にころっと騙される、中年のもてないオッサンみたいなものですかね。
うーん、明日は我が身の寒さかな。
この年で女に騙されるのはちょっときつおまっせ、安部邦雄