今日はNHKホールに行って来た。
海老沢NHK会長の挨拶とか民放のお歴々のパネル・ディスカッションが行われていた。
デジタル時代のキーパーソンの戦略は?
そんな話題で4時間余り。
評論家の皆さんが、これからの時代をどうするかと言っているようにしか聞こえない討論だった。
きっと、この人たちが言っている以外の状況になるのは想像に難くない。
状況を動かすのは、もっとどろどろした怨念に近いものである。
脳が紡ぎ出す理路整然とした評論は、結局状況を後追いする能力しか持ち合わせていないと知るべきだろう。
もっと未来を目指すパトスはないんかい?
そりゃ、後で教育テレビで流されると言われれば、こんな建前論しかしゃべれないだろうなあ。
さて、今日の表題のNHKである。
豪華なホール、放送研究所の豊富なスタッフ、会長の基調公演の為にかり出された大勢のNHK職員。
(会長が降壇したとたんにどどっと会場を出て行った。最低!)
心底NHKがうらやましいと思った。
考えてもみよ。
この人たち、テレビがどんな状況になろうと、民放が経営的にボロボロになろうと、自分達は受信料がある限り安泰なのである。
これからのBSはどうなる、ブロードバンドはどうなる、なんて研究員がもっともらしいこと言っていたが、NHKは状況がどうなろうと、経営的には何の変化もないのである。
何のために、未来を語っているのだ、NHK。
民放が苦しむのを見ながら、大変ですねえ、でも、うちは関係ないですけどね、などと言っているようにしか思えない。
それでいて、ハイビジョン映像をとりまくり、どんどんアーカイブして、子会社に売らせている。
番組をインターネットで流し、ユーザーを囲い込む作業を始めている。
そんな費用も、こんな費用も、みんな受信料という強制的税金の徴収ゆえではないか。
これはフェアじゃない。
NHKはもはや公益法人をやめるべきだ、民営化すべきだ。
自分のコンテンツの内容によって、ユーザーからお金をいただく構造にそろそろ変えるべきだ。
他の有料放送と競争すべきなのだ。
自分等だけ、何故にいつまでも法律に基ずく課金システムを温存しているのだ。
これだけ、社会のインフラは整備された。
NHKは民営化し、他の企業と競争しろ。
インターネット時代、マルチチャンネル時代、そんな時代に今までのNHKはいらない。
もう、本当に有料チャンネルでいいよ。
郵便局だって民営化されるかもしれないのだ。
いつまでも、公益法人という名でふんぞり返るなよ、NHK。
今日のシンポジウムの感想、沈む前のタイタニックの夜会みたいなものだった、安部邦雄